「まさか」に備えてVR体験。防災や業務訓練で活用されるVR

大地震や水害に毎年のように見舞われている日本。

世界的にも防災意識の高い国と言われていますが、「まさか」の事態がいつ起きるか誰にもわかりません。

近年ではVR技術が、防災などの訓練に役立てられています。

VRはゲームや動画を楽しむだけではなく、実用的な分野でも大いに活用されています。

VRが防災訓練に必要なポイント

実際の災害と防災訓練の間にある大きな隔たりといえば、その臨場感。

実際の災害を体験して行う防災と、単なる備えとでは、いざ災害にあったときに行えること・動けることも全く違ってくるでしょう。

実際に起きてパニックになってしまったのでは助かるものも助かりません。

そこでVRによる臨場感を味わうことで、災害に慣れ、いざというときに落ち着いて行動できるようになることが期待されるのです。

 

各自治体が積極的に導入するVR

VR防災体験車

東京消防庁は2018年度から「VR防災体験車」を導入しました。

モーションシートによる各種演出及びヘッドマウントディスプレイのバーチャルリアリティ映像で
“これまでにない臨場感あふれる災害疑似体験”を都内全域で可能にすることにより、都民の防災意識の高揚を促進し、訓練参加に繋げていくための専用大型車両

出典:仮想現実(VR)防災体験車

地震、火災、風水害の3つのコンテンツ(各三分間)を疑似体験でき、それぞれの災害の実相に合わせ、座席が動いたり、水しぶき、熱、においなどの効果が発生します。

火事現場をVRで体感!「避難体験VR」

2017年2月、埼玉県鴻巣市で、震度5強の地震による大規模災害を想定し、地元の自治会や地域住民などと連携して、1,300名規模の防災訓練が実施されました。

災害対応活動ができる体験型訓練も行うなど、実践的な総合防災訓練を実施されており、VRによる実際の火災現場と同じ黒煙が渦巻く現場から避難を行う擬似体験が可能になっています。

このシステムを開発した株式会社理経のHPによると、

Mirage Soloは、世界初(※5)、Daydream(※6)対応スタンドアロン型VRヘッドセットです。

Googleのインサイドアウト式モーショントラッキング技術WorldSense™を採用。内蔵センサーカメラで周囲を認識することで、トラッキングポイントを外部に設置することなく、ヘッドセット単体で前後左右に動く、しゃがむ、ジャンプするなどの使用者の動きを6DoF(6Degrees of Freedom)と言われる高い精度で認識することができます

出典:https://www.rikei.co.jp/news/2018-5/

VR上で実際に歩いて、しゃがんで避難訓練できるため、よりリアルで臨場感のある訓練ができるようです。

 

リアルな映像で火災と煙を再現した「VR消火体験シミュレータ」

NECら3社は2017年9月に、VRを利用したリアルな映像で火災を再現した「VR消火体験シミュレータ」を発表しました。

 今回3社は、MXモバイリングのスマートフォン用のVR映像作成技術によって、Gear VRを中核とする簡易な構成で、訓練用消火器を用いたリアルな消火体験ができるシステム「VR消火体験シミュレータ」を開発した。これにより、ディスプレイに表示された火災現場の映像を見ながら、訓練用消火器を操作して消火体験を行う。消火訓練用の専用施設が不要なため、さまざまな場所で手軽に体験が可能となる。

出典:http://panora.tokyo/35543/

こちらはスマートフォンとVRゴーグルを用いたシミュレーターのため、巨大スクリーンなどといった設備が不要でどこでも消火体験が可能です。体験者それぞれの消火状況を指導者がモニタで確認できるため、その場でアドバイスすることもでき、安全かつリアルな消火訓練ができます。

まとめ

防災にVRを活用するという試みは、今後どんどんと増えていくことでしょう。
ゲーム会社などもゲーム開発の技術を応用してVR避難訓練のシステムを開発しており、近い将来には防災訓練には必ずVRという時代がくるかもしれません。

また、VRで体験出来る防災訓練の種類も増え続けており、火災や地震だけでなく、水害、津波などの、多種多様な災害シチュエーションも体験できるようになっているそうです。

いつ何が起こるか予測できない災害だからこそ、VRによるリアルな体験でしっかりと訓練しておきたいですね。